塾のチラシ

 いすの子犬.jpg数年前までは職業柄、新聞に折り込まれる塾のチラシには必ず目を通し、参考にしていた。その習慣が今でも続いていて、スーパーや不動産などのまったく興味のないチラシには目もくれないが、塾のチラシとなると、なんとなく目がいってしまう。
 それにしても、最近の塾のチラシは風格がないというか、余裕が見られないというか、一言で言えば、えげつなくなってきた。かつては、自塾の特色や指導方針を明記し、それに向かっていかに努力しているかを訴えるものが多かったし、私もそのようなチラシをつくってきたつもりである。
 ところが今は、やたらと合格実績を誇示するものが多い。しかもそれは合格率ではなく、合格者数のみである。全国、あるいは全県に教場を有している塾ならば生徒数も多いはずで、当然合格者数も多いに決まっている。それならばまだいい。最近はそれに加えて、塾生数の相違は無視して、ライバル塾との合格者数比較表をチラシに載せる塾も出てきた。「あっちの塾より、うちの方がたくさん受かっていますゼ」との、相手をけ落としても生徒数を確保しようとする宣伝は、およそ教育業界に携わるものの行いにはほど遠く、まことに見苦しい。
 先日折り込まれてきたチラシにいたっては、見苦しさを通り越して腹立たしさがこみ上がってくる内容だった。なんと、ライバル塾との月額授業料の比較表が掲載されていたのだ。すなわち、我が塾の学費がライバル塾よりもいかに安いかをアピールすることを狙った宣伝である。
 授業料の計算には、授業の質はもちろんのこと、1クラス定員、授業時間、教材、その他サービスなど、各塾が勘案した数値がその中に含まれている。見過ごすことが出来ないのは、塾によっては表に出された授業料のほかに、プラスアルファの費用が加算されることもあることだ。だから、一概に金額だけで判断することはできないし、そもそも学費だけで子どもが通う塾を選ぶほど、保護者の目は甘くはないだろう。塾に限らず、消費者が支払う金額にはその企業に対するブランド力や信頼度が含まれる。ロレックスの時計が他社製品よりも値段が高いのは、ロレックスのブランド力や信頼度が高い故である。いみじくも、この塾は授業料比較表を提示することによって、ライバル塾よりも信頼度が低いことを自認したようなものだ。
 いずれにしても、他塾はどうであれ自塾の姿勢をしっかり示し、正々堂々とした宣伝活動をしてもらいたいものだ。

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