スマホと学力

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 ふた昔前には、ニンテンドーなどが売り出したゲーム機が流行った。中学生ともなれば、皆が何らかのゲーム機を持っていて、修学旅行ではほとんど全員がバスの中でゲームをしていて、ガイドさんの話を誰も聞いていなかったというエピソードもあった。

 ひと昔前には、ゲーム機をテレビにつないで遊ぶ新種が登場した。子どもたちは外で遊ばなくなり、家に籠ってテレビゲームと格闘していた。
 そして今はスマホである。スマホには電話やメールのほかにも様々な用途があるようで、電車の中でスマホとにらめっこしている人たちがそれで何をしているのか、私には皆目分からない。しかし、小中学生に限ってみれば、おそらくはゲームに夢中になっているのであろうことは想像できる。
 私はニンテンドーのゲームを使ったこともないし、テレビゲームがどのようなものであるのかも分からない。おまけにスマホも持っていないので、ゲームの内容がどのようなものであるのか、まったく分からない。そこで、子どもたちに聞いたところ、敵を「やっつける」とか「ぶっこわす」、果ては「ぶっ殺す」ような、どこかのフットボールチームまがいのことをして楽しんでいるらしい。
 こんなことをして何が楽しいのか、私にはまったく分からない。そもそも世の親も、なぜこんなものを高いお金を出してかわいい子供に買い与えるのか、とうてい理解できない。こんなことをさせて、思いやりのある心の優しい人間に成長させることができると思っているのだろうか。それとも、相手をぶっこわしてでも自分だけがよければそれでよい、そんな「強い」人間に子供を育てたいのだろうか。

 スマホであれ何であれ、それを使ってゲームなどのまったく非生産的な遊びにはまりこめば、ぼう大な時間の浪費になる。必然、このことは勉強や読書などの時間を減少させることになる。だから、スマホなどを使っている子どもたちの成績は伸びない。したがって、子どもたちにスマホなどを買い与えるべきではない・・・。と、今までは思っていた。
 しかし、ことはこんな単純なものではないことを最近出版された本を読んで思い知らされた。『スマホが学力を破壊する』(集英社新書)である。著者である川島隆太氏によると、スマホの使用時間と勉強時間との学力の関係は直接は関連せず、スマホを使用することそのものが学力を低下させるとのことである。スマホの使用時間や勉強時間は考慮に入れず、スマホの所持、無所持についての川島氏の3年間にわたる追跡調査では、3年後に無所持だった生徒の成績と、所持していた生徒の成績を比較すると、非常に大きな開きがあることを示している。
 本書は、様々な調査から得られたデータをもとに、スマホの弊害を訴えている。「スマホを捨てれば偏差値が10上がる」との言葉も、あながちオーバーなものではないであろう。教育に関する先生方はもちろん、小中学生を持つ親にも是非読んでもらいたい一冊である。

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