ジョニーは戦場に行った

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 遠い遠い昔のことなので、題名は間違っているかも知れない。こんな名前の映画を若い頃見たことがある。

 ジョニーという普通の青年が戦争に行き、そこで大けがをする。病院に運ばれ、かろうじて一命は取り留めるがベッドに置かれたままの状態になる。両手両足は無くなり、顔も爆弾でやられる。従って声も出せず、目も見えず耳も聞こえない。健全なのは脳と生殖器だけ。
 ジョニーは何も見えず何も聞こえないベッドの中で、悶々と過去のことを考える。何ヶ月も(あるいは何年も)考え続けた末、「頭を使え」と言われた父親の言葉をハッと思い出す。ジョニーは頭でベッドをたたくことによってモールス信号を発信する。やがて病院側(軍部側)もジョニーがモールス信号を送っていることに気付き、連絡を取り合うことが出来るようになる。しかし、その結論はジョニーにとっては悲惨なものだった。
 私の記憶に大きな間違いがなければ、映画のストーリーは概ねこのようなものだったと思う。
 学生時代の友人が亡くなった。葬儀は密葬で行われたので、四十九日を直前にした昨日、同期の仲間とともに友人のお宅に弔問に行ってきた。友人の奥様の話によると、末期には過去の記憶も消え、声も出せず、車いすに座ることも出来ない状態だったという。しかし、こちらの言うことは何でも理解できたそうである。相手の言っていることは分かる。しかし、自分はそれに対して何の意思表示も出来ない。こんなもどかしさが、どれほど彼をいらだたせたであろうと思う。学生時代の彼は、極めて頭脳明晰で人の心をとらえて放さない、そんな人間だったのだ。
 奥様の話を聞いて、昔むかし見た映画のジョニーを想像してしまっていた。もちろん、奥様にはお悔やみと慰めの言葉以外、何も話してはいない。 「ジョニーは戦場に行った」は、あきらかに反戦映画である。しかし、戦争とは無関係でも、同じような死に様が、平和で医療大国の日本でもあることに、改めて死について考えさせられた。

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