前期選抜廃止論

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 神奈川県の公立高校入試制度は、猫の目のようにくるくる変わる。私には、変わるたびに悪くなっていくように思われる。中でも、最近導入された前期選抜試験は、悪しき入試制度の最たるものである。

 神奈川県の前期選抜試験とは、いわゆるペーパーテスト無しで、調査書と面接試験、それと自己推薦書などの資料で合否を決める制度である。この制度で定員の20%~50%の合否が決められてしまう。
 中学校の絶対評価による内申点は極めて曖昧なものであり、更に面接による評価も科学的なものではあり得ない。最近は私立中学ですら、正当な評価が不可能な面接試験を廃止する学校が増えているのである。中学校ごとに、あるいは担当教師ごとに評価がまちまちな絶対評価と、面接官の個人的な感情が注入される可能性のある面接試験で合否が決まるのが前期選抜試験である。このように考えると、高校入試における前期選抜試験は限りなくグレーに近い入試制度であると言わざるをえない。
 この前期選抜試験は1月下旬に行われ、2月初旬に発表がある。ところで、後期選抜試験は2月下旬、発表は3月初旬だから、ほぼ1ヶ月の時間差がある。ここに、高校入試制度のもうひとつの大きな問題点がある。同じ中学校の教室の中でおよそ1ヶ月間、前期選抜合格者と不合格者が机を並べて勉強するのである。一方は天国で一方は地獄のど真ん中にいる。何事にも公平を尊ぶ公立学校で、こんな残酷で非人間的な行いがあって良いものなのだろうか。
 更に、前期選抜にはもう一つ問題点がある。よほどの強い意志の持ち主でない限り、前期選抜で合格が決まれば、それ以降の勉強からは遠ざかってしまう。合格が決まれば、後はただ漫然と、抜け殻のような中学校へ通うのみである。前期選抜は、その後の努力を妨げるものである。
 入学試験なしで合格を決めてしまうこのような制度はアンフェアであり、生徒の今後の人生にとって決して良い結果を生み出さない。このような制度は廃止すべきである。

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