貸金業

 貸金業法という法律があるそうで、その改正について騒がれている。貸金業とは、すなわち高利貸しである。

 
画像
高利貸しは、ヨーロッパではシェークスピアの小説にもなっている。日本では1428年(正長元年)に近江の馬借が中心となり、酒屋や土倉の高利貸しを襲ったという記録がある。だから、近代産業よりもはるか以前から歴史に登場している職業なのである。
 それにしても、私の学生時代には今のように貸金業が目立つこともなかったし、サラ金なる言葉も聞いたことがなかった。当時はもっぱら一六銀行=質屋だった。
 質屋にはずいぶん世話になった。真夏にスキーをこっそり持ち込んだり、親からもらったオリンピック千円銀貨を質草にして千円借りたこともあった。因みに、この千円は流した。借りた金の半分で米を買い、半分でサントリーレッドを買ったものだ。
 牧歌的な昔と違い、今の金貸しはずいぶんと大胆である。テレビにコマーシャルを流し、繁華街ではティッシューペーパーをばらまく。そして、どの金貸し会社も膨大な利益を上げているという。
 テレビのコマーシャルでは子犬がじっとこちらを見つめ、美女がにっこり微笑む。何か簡単に借金ができ、何でも買えるかのような錯覚におとしいれられる。金の苦労もしたことのないバカな若者が安易に借金し、ずるずると破滅への道を歩むこともあるだろう。
 悲惨なのは中小企業の経営者である。銀行から見捨てられ、ついつい高利貸し業の門をたたく。高金利の負担に耐えきれず、自殺に追い込まれる例もあるという。
 借りる側も悪い。やむにやまれぬ事情があったにせよ、借りた結果、もっと悲惨な状況になることは目に見えている。しかし、もっと悪いのは国や銀行である。景気のいい会社には低利で融資するくせに、ちょっとでも経営が苦しくなると平気で見捨てる。まるで逆である。苦しい状況の中でも一生懸命頑張っている中小企業にもう少し優しい気配りがあれば、景気の底上げにもなるだろうし、ひいては歳入の増加にもつながるであろうに。そうなれば、弱いものいじめの高利貸しも世の中から消えるであろう。不労所得の高利貸しが幅をきかせ、大儲けする社会が平和で豊かな社会であるはずがない。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック