2020神奈川県公立高校学力検査問題について②

こねこ.jpg3.神奈川県公立高校学力検査で問われていること
 マークシートが高校入試に導入されて4年目になる。この間、少しずつ記述問題が減り、問題の内容も全体的に平易になってきたように感じる。今年の入試国語では与えられた用語を用いて25~35字で記述する条件作文問題があっただけであり、社会や理科についても記述や作図の問題は出題されていなかった。
 ただ、かつてのように「易しすぎる」出題ではなく、さりとて「これでもか」と言わんばかりの難問が多く出題されているわけでもない。全ての教科を通して表やグラフ、図などが与えられて、それを見ながら基本的な知識を使って考えたり計算して解答する問題が多かった。その点で、神奈川県の入試は、全教科にわたってデータを読み、設問に対して的確に判断して解答する能力を見る形式で一貫している。これがここ数年、神奈川県が高校受験生に求める基本的な方針であるように思う。
 その結果、1教科だけが突然難しかったり、あるいは易しかったりした頃と比べ、特に本年度は全教科平均したレベルで良問がそろった出題であり、今後もこの傾向が続くものとみて良いと思う。惜しむらくは、記述問題の大幅削減である。せっかく良い問題が出題されているのに、採点ミスを恐れるがため、安易な解答方式を取り入れるのではなく、採点する側の態勢の強化を追い求めていただきたい。
 このところ、あまり話題にされなくなった入試制度の一つに、面接試験がある。面接試験は2013年度の入試から行われることになり、入試全体のうちの2割を占める極めて重いものである。むろん、本年度も行われたが、今ではほとんどの高校で、差がつかないような点数をつけているようだ。当然のことである。一介の高校教師がわずか数分の面接で受験生の人格を100点満点で数値化して判断することなど出来ようはずがない。今や面接試験は、意味のない質問を意味のない質問だと野次るような意味のないことになっている。すでに形骸化しているものであれば、即刻廃止すべきであると考える。

4.今後の公立高校学力検査への対応
表やグラフ、図などがどのように問題の中に組み込まれているかを、今年の学力検査問題の中から教科別にザッと見てみよう。
 英語では、家庭で使うポリ袋の枚数についての帯グラフと棒グラフを見て、使用量の推移を問う問題や、米の値段表から代金を計算する問題が出た。
 国語では、一般家庭が使用する水量と、その使い方を示したグラフと表を読みくらべる問題が出題された。
 数学では、気温の変化を表したヒストグラムが久々に登場。三角錐の展開図の問題は難問だった。
 理科では、バネののびと力の関係のグラフ、音の性質についてのグラフが、社会科では、おなじみの雨温図や地形図のほかに、表、グラフ、計算を含む地歴公三分野混合問題が出題された。

 このように、教科を問わず様々な情報を正しく処理する能力が問われている。さらに、データだけではなく、どの教科も問題文が長文化している。国語や英語では、せっかく問題文を読み終えたとしても、問題を解くうちに何が書いてあったのかが判然としなくなってしまうこともある。数学では、問題の中で与えられた条件を一つ見落とせば、確実に不正解となる。
 では、神奈川県の公立高校を受験しようと思っている中学生は、今後どのような学習をしていけば良いのか。それは、読解力を養うことだと私は思う。そのためには、たくさんの本を読むことに尽きる。なにも統計資料がふんだんに盛り込まれた科学書でなくとも、漫画以外なら児童文学でも何でも良い。多くの本を読むことによって、活字に親しんでいくこと、少し遠回りのように思えても、これが神奈川県公立高校入試に向けての必勝法だと思う。

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