転ばぬ先の知恵

 2020.9.14.jpg舞台は戦場でも災害現場でもいい。そこに負傷者がどんどん運ばれてくる。その情景を見て、現場責任者は考える。
 曰く「先進の医療器具を導入したい」
「設備の充実が急務だ」
「負傷者治療の抜本的な改革が必要だ」
 そうこうしているうちに、負傷者の数はどんどん増えてくる。
 結局、負傷者は無視され、治療は後まわしにされる。

 公立中学校の現場からの報告によれば、コロナ休校によって学習環境の整っていた生徒とそうでない生徒との学力格差は既に厳然と現れているという。やはりと言うべきか。
 そこで地方自治体や学校ではどんな対策を打とうとしているのか。
 「全生徒へのパソコンの配布を早急にすすめます・・・」
 「1クラスの人数を減らし、少人数での指導を目指します・・・」
 それも結構だが、それよりも落ちこぼれかかっている生徒たちに救いの手をさしのべることが当面の急務のはずである。
 もちろん、現場の先生たちもこのことは十分承知しているはずである。しかし、雑多な業務に忙殺され、補習授業を行いたくても、とてもその余裕が無いのが現状だろう。

 ならば、民間に頼るがいい。今や生活困窮家庭の子どもたちを様々な形で支援するNPO法人や個人がどの地域にも存在する。ご恩塾もその一つである。
 ご恩塾はまだまだ受け入れは可能である。なのに、生徒紹介の声がかからない。SOSの叫びはあるはずだ。しかし、ご恩塾のドアをたたくところまでには至っていないのが、なんとももどかしい。

 緊急事態発生時に論じられるのが、前述の「そもそも論」である。このばかばかしい議論をはじめる前に為すべきことがある。それは、緊急事態発生を予測し、その前に対処する行動である。
 私は、多くの学習塾が休業を余儀なくされたコロナ休校期間おいても、ご恩塾を閉じなかった。もちろん、万全なコロナ対策を施した上で、である。年老いた私にとって自分の身を危険にさらしてでも、何の得にもならないそんな行動をなぜ取ったか。それはご恩塾生の家庭環境を知っていたからであり、休校になれば格差が広がると予測できたからである。

 休校中も普段通り通塾し学校の宿題や算数・数学の予習を続けた結果、ご恩塾生は9月の定期テストにおいても全員が見事な成績を残してくれた。少なくとも、ご恩塾生に限っては休校による格差拡大の影響は受けずに済んだ。これこそ「転ばぬ先のつえ」ならぬ「知恵」である。
 出来ることならば、ご恩塾生のような生徒をもっともっと生み出したかった。しかし、まだ間に合う。これからでも遅くはない。

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