久しぶりの生徒送り

 058.JPG休校期間、ご恩塾では子どもたちの居場所を確保することと、加えて学力格差の拡大を防ぐために、平常よりも多くの時間をかけて子どもたちを受け入れることにした。こんなことをしたところで、私が救うことが出来るのはたかだか数名の子どもたちである。巨大な風車に立ち向かうドン・キホーテの万分の一にも満たないスケールの小さい抵抗ではあるが、私にも意地がある。

 報道番組などを見ると、コロナウイルス対策として国が考える施策は、第一に人の命を守ること、第二に経済を悪化させないこと、この二点のように思える。それも確かに大切なことではあるが、教育格差の拡大にはあまり議論がなされていない。学習の遅れに関しては「金がある奴はwebがあるよ、金がない奴はなんとかせい」と言っているようなものだ。だから、令和の植木等よろしく「金のない奴は俺んとこに来い」と私は訴えている。
 塾生の中にも、家から出ることを避けてしばらく休む子もいるが、多くの子は親の通塾許可を得た上でいつもどおり通ってきている。昨日は塾生が、同じ境遇にある友だちを誘って早い時間から勉強に来ていた。

 学校にも行けず部活も出来ず、冬眠中の熊のごとく家にじっとしているくらいなら、感染の危険性が極めて少ないご恩塾に勉強に来たほうが、あらゆる意味でプラスになると私は思っていた。このことをある生徒にすすめたところ、思わぬ返事が返ってきた。
 その生徒は小さな声で「電車賃がないから・・・」とぽつりと返事をくれたのである。これにはショックを受けた。自分の思慮の浅さに自己嫌悪さえ覚えた。
 仕事を終え、家に帰ってからいろいろと対策を考えた。その結論として、帰りは私が車で家まで送ることにした。そうすれば、1回の通塾にかかる交通費は半分になる。そのことによって、もう1回多くご恩塾に通って勉強してもらうことが出来る。一昨日、その生徒には詳しいことは話さず、家まで送った。
 私が現役の頃は、毎日毎日毎日・・・授業終了後に生徒を送ったものだった。それ以来、数年ぶりの生徒送りである。生徒を乗せた車の中で、昔のことをとても懐かしく思い出した。そして今もこのことを続けている当時の仲間たちの頑張りに、改めて拍手を送りたい気持ちになった。

 経済的に厳しい環境の中で塾に通うことの難しさを、生徒の立場に立って考えさせられたことであった。

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