志遂

 susuki.jpgご恩塾設立以来、小学生には本を音読させている。音読することで文章の読み間違えが非常に多く、いかにいい加減に本を読んでいるかがよく分かる。解釈のしようによっては、書いてあることとまったく逆の意味になってしまうこともある。黙読では気づかない、音読の優れた面であると思う。

 この一ヶ月間は伝記本を読んできた。このことにより、今よりもずうっと昔、こんな人が日本にいたんだということを小学生に知ってもらい、その人物へのあこがれや歴史への興味を持ってもらいたいためである。
 今週は、私の尊敬する吉田松陰伝を読んだ。松蔭を知っている生徒は誰もおらず、本の内容にもあまり関心を示さずで、私としてはがっかりであった。そこで読書感想文を書かせる前に、松陰先生の生きた時代=幕末がどんな時代であったか、その中で松陰先生がどう考え、どんな行動を取ったのかを伝記本を補足しつつ小学生に若干講釈した。

 松下村塾に来る若者たちに「君の志(こころざし)は何かね」と松陰先生はたずねたそうである。そこで私も「君のこころざしは何かね」と小学生にたずねたところ、全員がポカンとしていた。生徒たちが「こころざし」の意味を理解できているのかも疑わしいし、そもそも小学生に「こころざしを持て」ということがまだ無理なのかもしれない。
 松蔭は志を持ち、それを成し遂げて死んでいったのだろう。松蔭のように、自分の志を成し遂げた人たちは、無名の人たちを含めて大勢いるにちがいない。素晴らしい人生だと思う。

 「志遂(しすい)」。広辞苑にも載っていない言葉だが、ふとこんな言葉が浮かんできた。志を遂げた先人たちをうらやましく思うし、私もそうありたい。そして、一緒に本を読んだ小学生たちも、志遂の人生を歩んでもらいたいと思う。

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