平成の徒然草~『惰性と思考』

 画像自分のブログを書くときのヒント探しや文章力向上のために、よくエッセーを読む。外山滋比古さんのエッセーは『思考の整理学』以来、好んで読んできた。

 今回出版された本は、『惰性と思考』(扶桑社新書)。食べ物のこと、着るもののこと、生活の中でのこと、ほんのちょっとしたことからヒントを得て、それを文章化してしまう。そこには読み手に示唆を与え、教訓となる事ごとが含まれている。しかし、それは決して大上段に構えたものではなく、ユーモアの中でやんわりと訴えかけてくるのである。まるで『徒然草』を読んでいるようだ。
 花火を見たときの文章がある。写真で見るよりも、実際に打ち上がっているものを見るよりも、花火の素晴らしさが読むものに伝わってくる。花火とは、色、音、大きさだけではない。次の花火が上がるのを待つ気持ちの落ちつかなさと上がったときの満足感、そんな「間」も花火の醍醐味であることを知る。花火とは活字で見るものだと思わされてしまう。
 どうしたらこんな文章が書けるのだろう。そこには羨望と尊敬しかない。足元どころか、足元から1kmも及ばない。私もあと10年もしたら、こんな文章が書けるようになるのかな、との希望もあるが、やっぱり無理だろうなー。

 本書は2010年に刊行された『頭の旅』を加筆修正したものと巻末に書いてあった。どうしてタイトルを『惰性と思考』などと品のない名前に変えたのだろう。もとのタイトルの方がよほど良かったのに。このことだけが私には残念な点である。 

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