塾の学費を都が融資することについて

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 「年収約200万円以下の低所得世帯を対象に、子どもが高校や大学受験のために学習塾に通うときの費用を無利子で貸し付ける制度を東京都が始める」との記事を目にした。(朝日新聞4月16日夕刊)

 記事によると、都市部では塾通いが日常的になる中、親の経済力で子どもの教育に格差が生まれるのを防ぐのが、この融資制度のねらいなのだそうである。
 この制度に対しては、例えば本来学校で行うことを塾に押しつける責任転嫁であるとか、都民の血税を塾の費用に充てるといった反論の出ることが予想される。事実、数日前の新聞の投書欄でも早速反対意見が掲載されていた。しかし、この制度によって救われる子どもがいることは確かだろうし、翌日の朝日新聞天声人語でも、この制度を好意的に受け止めていたようである。
 考えなければいけないことは、この制度を利用して入塾する子どもを受け入れる塾のことである。東京都ではこの制度によって、数千名の入塾希望者が新たに出現することになる。この、天から降って沸いたような思わぬ特需に、塾はただほくそ笑んでいればよいのだろうか。このことを、一人の塾人として考えている。

 普通、塾での特待生と言えば、成績優秀者の学費を優遇する場合が多いが、私の塾では、収入の少ない母子家庭への割引制度や、例えば父親など、家計を担う方に不幸があった場合、その後の学費一切を免除する学費免除特待生制度などを取り入れ、経済的に余裕のないご家庭に家計負担を極力かけないような制度を用意している。この制度によって、現在も多くの母子家庭の子弟が通塾しているし、学費免除特待生制度によって、塾をやめずに最後まで通うことが出来た生徒も少数ではあるが存在した。
 
 しかし、格差が広がる一方の今の世の中では、母子家庭ならずとも十分な所得を確保できないご家庭も増加していることは事実である。塾として出来ることはやってきたつもりでいたが、新聞記事を見て、東京都ほどの思慮が私の中に不足していたことを深く恥じ、反省している。
 では、一私塾としていったい何が出来るのか。今、このことを考えているところである。塾も私企業であり、慈善団体ではありえない。したがって、自ずと出来る範囲に制約がある。更に、事情はどうであれ一部の子どもの学費を優遇することは学費負担の公平を欠くとの意見もあるかもしれない。
 塾へ行って勉強したいけれど、経済的な事情で行くことが出来ない。こんな子どもに塾人として手をさしのべ、地域に貢献することは出来ないだろうかと、新聞記事から啓発させられ、誰しもが納得し理解できる制度を生み出したいと思っている。

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