新・頭の悪い子のつくりかた3

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3.こうして頭の悪い子はできあがる

 
 数学者で『国家の品格』の著者である藤原正彦さんは、子供の教育には一にも二にも読書が重要であると著書で述べておられます。藤原さんに限らず、読書の大切さを指摘する識者は大勢います。逆に、読書は何の役にも立たず必要のないものと説く知識人は先ずいないでしょう。読書が大切であることは明らかです。
 有史以来、普遍の真実である読書の重要性は、当然おとうさん、おかあさんたちもご存知のはずです。しかるに、おかあさんたちとの面談で必ず話題になるのは子供の読書嫌いのことです。「うちの子は本を読まなくて困る。」「マンガは読むのだけれど、本は読まない。」等々。それなら、どうして本を読ませようとしないのでしょう。困る、困ると循環小数みたいに同じ愚痴ばかり言っていても解決にはなりません。本当に本を読ませたいと思うのなら、親の権威と努力で子供に本を読ませるべきだし、マンガがいけないと思うのなら、取り上げ、買い与えないことです。テレビを消し、勉強するか本を読むかのいずれかしかできない環境をつくればよいのです。しかし、昨今のたいていの親はそこまでは子供に対して厳しくはなれないのです。親が口でやかましく言っても、子供はちょっとの時間辛抱していれば、やがて嵐がおさまるのを知っているから、さっぱり効果はあがりません。
 子供が親の言うことをなかなか聞いてくれないのに対し、子供の言うことはホイホイ聞いてあげる親が最近多いのではないでしょうか。
 「あれがほしい・・・」「ああいいよ」
 「これをしたい・・・」「ああいいよ」
 「もう厭きたから、これはもうやめたい・・・」「ああいいよ」
 こんな感じです。
 親としては、他の子もみんな持っているし、うちの子だけが持っていないのはかわいそうという気持ちがあるのでしょう。分からないでもありません。しかし、そこには子育てのポリシーが脱落しています。何でもよその子と一緒ではなく、「よその子はよその子、うちの子はうちの子」と、自信を持って子供に対するべきです。何でもみんなと一緒の横並びではなく、みんなとは違う子育てこそが、今の世の中に必要なのではないでしょうか。
 今、たいていの子供が持っているもので、どうして親が買い与えるのか、どうしても私には理解できないものの一つにテレビゲームがあります。視力を低下させる以外、何の効果もないものと私には思われるのですが、それが子供にとって良いと思って親は買い与えているのでしょうか。一説によれば、バスジャックやら親殺しやらの凶悪事件を起こして問題になっている少年世代は、テレビゲームの誕生と一致しているとのこと。考えられることだと思います。
 私の子供たちはもう成人していて、今の子供世代とは時代がちがいますが、それでもゲーム機のはしりみたいなものはあり、けっこう流行っていました。当時、修学旅行のバスの中で子供たちは皆、黙々とゲーム機にのめりこみ、誰もガイドさんの話を聞いてくれないという社会現象もあったほどです。私は、父親譲りの頑固者なので、この手のゲームは一切子供たちには買い与えませんでした。
 もうひとつ、困ったものが登場しました。携帯電話です。ほんの数年前までは考えもしなかった「新兵器」が、今や誰もが簡単に手に入れることのできるものになりました。確かに、ビジネスマンなどには便利なものだと思います。携帯電話を使えば仕事もはかどることでしょう。
 しかし、はたして小学生や中学生が持つ必要のあるものでしょうか。親と連絡を取りたいのなら、テレフォンカードを一枚持たせておくだけで事は足ります。そもそも、子供たちをみていると、親との連絡のために携帯電話を持っているようには見えません。ヒマさえあれば友達とどうでもいいメールのやりとりをしたり、ゲームをしています。聞くところによると、携帯電話を利用した、子供にとって有害なサイトもあるとか。
 必要もないものに子供たちが携帯電話を使うことによって消費されるエネルギーは膨大なものでしょうし、電話代も高くつくことでしょう。子供たちがどうでもいいことに使っている携帯電話の料金を、世の親は黙って支払っているのでしょうか。
 特に女子中学生には携帯電話を持たせるべきではありません。彼女たちは、どんなときでも携帯電話を離そうとはしません。授業中でも握りしめている。中には、授業中に机の下でメールをしている子もいるのです。このような連中に携帯電話を買い与えるのは、すなわち、子供にバカになって下さいと頼んでいるようなものです。小・中学生、特に女子中学生には断固として携帯電話を買い与えるべきではありません。
 数年前までは中学生たちをつれてサマー・キャンプに行っていました。昔の子供は喜んで参加したものですが、今ではさそっても参加を希望する中学生はほとんどいません。汚い山小屋に泊まったり、炊事をすることなど、今の子供たちには「カッタルイ」以外の何者でもないのかもしれません。家にいれば、何でも親がやってくれるのに、わざわざ苦労しに出かける必要はないとの考えもあるのかもしれません。
 「あとはおかあさんが片付けるから、あなたは勉強しなさい。」「おとうさんが買ってあげるから、そのかわり、しっかり勉強しなさい。」
 あとかたづけや、カネで解決できる「どうでもいいこと」はいいから、子供には頭のいい子になってもらいたいと思う親心。このような親の子に限って、勉強はしない、わがまま放題になる、挙げ句の果ては親の言うことなど屁とも思わない子供に育っていくのです。こうして今日もまた一人、頭の悪い子が出来上がるのです。

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