落合監督の涙

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 勝てば中日の優勝が決まる巨人-中日戦が延長戦に入ったおかげで、帰宅後テレビ観戦が出来た。延長12回表、ウッズ選手が満塁ホームランを打ち、勝利を確信した落合監督がベンチの中で涙を流していた。ゲームセットとなり、優勝監督インタビューでは誰はばかることなく、号泣していた。

 落合監督と言えば、いつもニヒルで人をバカにしたようにニヤニヤしているイメージがあり、正直なところいけ好かない奴だと思っていたが、今回ばかりは落合監督に人間くささを感じた。
 野球の監督と塾の教師とは似ているところがあるように思う。野球監督は時に鬼になり、時に太っ腹で包容力の大きい助け船になる。そうして一年間みっちり選手を鍛え上げていく。その過程は喜びよりも心労が大きく、並大抵の苦労ではないだろう。それでも優勝できるのはたった一チームだけである。だから、優勝した喜びは筆舌に尽くしがたく、落合監督のような冷静な人間とて、テレビを通じて何百万人の目の前でも涙せずにはいられなかったのであろう。

 私塾の教師として、生徒が合格の報告に来てくれたときほどうれしい瞬間はない。特に、中学受験生のような小さな子供である場合、思わずその子の肩に抱きつき、涙することもある。
 私たち塾教師は短くても一年間、長ければ三年間以上にわたって子供たちの中学受験指導に携わっていく。子供たちは精神力も、体力も、成績もどんどん成長していく。その過程での子供たちとの関わりは順風満帆というわけには行かず、一人ひとりの子供たちの成長過程は千差万別である。多くの場合は誉めて自信とやる気を喚起するが、時には叱り、時には落胆し、ガッカリしてしまうこともある。
 こんな子供たちが入試日当日、試験会場に向かううしろ姿を見ると、何とも形容しがたい気持ちになる。よくぞここまで成長したという感慨、頑張ってきて欲しいという願い、そして、この子たちが自分から遠ざかっていくような寂寥感。
 今年の二月は入院中だったため、入試の応援にも行けず、合格発表にも立ち会えなかった。私自身の気持ちはどうでも良いが、受験生たちには心の支えになることが出来ず、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。来年の二月は精一杯応援し、合格の喜びを子供たちと分かち合いたいと思っている。そのためにも入試までの残る期間、生徒たちにとって鬼にも助け船にもなる気持ちでいっぱいである。
 来春は十三名の生徒が中学を受験する予定である。落合監督が流したような涙を十三回流したいと思っている。

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