ニーズ

 「お客様のニーズにお応えして・・・」といった宣伝文句を良く目や耳にする。たいていの企業、とりわけ製造業、商業においては顧客のニーズに応えられなければ競争に負けていくことになるだろう。消費者が何を求めているかをマーケティングすることは商売をする者にとっては欠かせないことだし、ニーズに添った商品開発をすることによって新商品が生まれ、文明も進歩していく。
 一般に、顧客のニーズに応えることは必要であり、特に商品を販売する者にとっては当然の行為である。しかし特殊な職業、例えば、私が職業としている学習塾にとっては、顧客のニーズに応えるとどういうことになるのだろうかと考えてみた。

 学習塾にとって顧客とは、授業料を負担して子どもを塾に通わせている保護者である。生徒自身は授業料を払っていないのであり、あくまでも我々教師から物事を教わる修行の身である。だから、生徒はお客様ではないし、我々は生徒をお客様扱いしてはならないと私は思っている。生徒には、遠慮なしに厳しくするところは厳しくし、叱るべきは叱るべきである。とは言え、学習塾にとって、生徒が顧客かどうかは異論のあるところだろう。
 このことはさておいて、保護者が顧客であることは間違いのないところだろう。その保護者のニーズとは何か。単純明快である。「よその子はどうでもいい、出来ればよその子の成績は上げないでうちの子だけは成績を上げて欲しい。」このことである。この保護者のニーズに、はたして学習塾は応えることが出来るだろうか、
 むろん、このようなことは出来るわけがない。学習塾の側から言わせていただければ、学習塾の使命は、通ってくる全ての生徒の成績を上げることである。だから、顧客のニーズに完璧に応えることは不可能である。
 顧客のニーズに応えることを約束できないで、しかも顧客を満足させなければならない。まことに、学習塾とはやっかいな職業ではある。
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